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第19回「内なる力 ―火と土と―」展

内なる力 ― 火と土と ― 展覧会パネル文章

 宇宙には、根源的エネルギーが実在する。その力を仰ぎ見ることによって、我々は人類の淵源を知ることが出来る。人類とは、宇宙の根源力が創り上げた「何ものか」である。その何ものかの探求に命をかけた者が、芸術の誕生を司ったに違いない。我々は、紅蓮の火に自らの魂を見出した。そして、暗黒の土の中に自らの肉体を葬ったのだ。天に向かう火に我々の魂の永遠を祈り、地を穿つ終焉の力に生命の神秘を摑み取っていた。だから、火と土が我々の実存なのだ。その実存によって、我々は文明を築いた。我々の文明は火と土によって支えられている。私は、その真実の表出こそを芸術と呼びたい。我々の生命の根源を噴射する真実である。それは、我々の内部に溶融する奔流の力に他ならない。自分を焼き殺し、自分を葬る力そのものだ。私はそれを芸術と呼ぶ。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉「石のある風景 ―サハラ・デ・カディス―」 戸嶋靖昌 画
  • 〈展覧会イメージ作品〉「聚」 山口長男 画
〈展覧会名〉
第19回「内なる力 ― 火と土と ―」展
〈会期〉
2019年6月24日~9月28日
〈概要〉
天空より創造の力は人類の深奥へ、そして人は火と土を手に――新たな形象を生み出すのだ。この原初の力はとどまるところを知らない。物質の枠を超えて宇宙のエネルギーはあらゆるものを破壊し創造する。執行草舟コレクションの真髄である、この「内なる力」を展示いたします。

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