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第18回「禅と武士道」展

禅と武士道 展覧会パネル文章

 禅には、の実存が宿っている。その実存は悶え苦しみ、大地の叫びとなって伝わって来たのだ。ぶその呻吟は、我々の大地に「意義」をもたらしてくれた。つまり、我々の武士道を「生死」の位相へと飛躍させたのである。我々の武士道は、それによってその軸心に宇宙的使命を持つこととなった。日本の歴史が経験したこの事象は、我々の祖先が命がけで生きていたことの証左ともなるだろう。それ以来、すべての日本文化は禅と武士道に収斂すると言ってもいい。それだけの涙が、この歴史には湛えられているのだ。だから、我々はすべての生の中に禅機を見る。それが日本人の魂だからだ。我々はすべての生死に武士道を見る。それが日本人の涙だからだ。その魂と涙を見てほしいのだ。それらが鎮む書画を仰ぎ、そこに祖先の生を感じてほしいのだ。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉山岡鉄舟「存心養性以事天」(部分)
  • 〈展覧会イメージ作品〉戸嶋靖昌1963年頃
〈展覧会名〉
第18回「禅と武士道」展
〈会期〉
2019年3月18日~6月15日
〈概要〉
執行草舟の愛する「禅と武士道」の生き方は、白隠、南天棒、楠木正成、山岡鉄舟などの作品蒐集を始めとし、そのコレクションに色濃く反映されています。「禅と武士道」という主題で執行思想の根底に流れる日本人の「求めたるところ」を辿っていきます。

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