第24回「遥かなる国 ― いにしへを想う ―」展
遥かなる国 ― いにしへを想う ―
展覧会パネル文章
我々は、死者と共に生きているのだ。我々は、我々だけの生を生きているのではない。この地上に生きた多くの魂たちが、いま我々と共に本当に生き続けていることを感じなければならない。それを抱き締めることによって、芸術を仰ぎ見る詩情が生み出されることになるだろう。現代文明は物質至上の思想を生み、我々はその毒牙に塗れてしまった。それによって、我々は人としての大切なものを失ってしまった。その大切なものとは、生の悲しみであり、愛の切なさであり、人生の豊かさであるに違いない。死者を抱き締める時、我々にはそのような豊かさが甦るのである。ついこの間まで、人間とは真に大らかな存在だった。そのような人間たちの哀歓を、この展覧会に見てほしいと思う。我々を生み出した人々の、真の豊かさを感じてくれれば有難い。
執行草舟
- 〈展覧会 案内葉書〉岡城跡 平野遼 画
- 〈展覧会イメージ作品〉花 土門拳 書
- 〈展覧会名〉
- 第24回「遥かなる国」―いにしへを想う― 展
- 〈会期〉
- 2021年2月1日(月)~2021年4月3日(土)
- 〈概要〉
- 日本の魂の系譜としての執行草舟コレクションには、武士の道、和歌の切なさ、いにしへの国の大らかさ、豊かさといった、古来の日本を感じさせる作品が多く所蔵されています。この度、「遥かなる国」展と題し、いにしへを想う日本人の魂を様々な作品から探ります。