Exposition Archives

過去の展覧会

第30回「Sur life ― 生命のイマージュ」展

Sur life ― 生命のイマージュ 展覧会パネル文章

細密画の巨匠 磯江毅は、「私たちが挑むリアリズム絵画の原点には、いつでも戸嶋靖昌の芸術が聳え立っている」と言っていた。私は十五年以上に亘って、その思想的根源を考え続けている。それが、人間生命と存在物の混沌的かつ超越的な融合だと気付くのに長くかかった。そして、その芸術的実存を超克するのには、ほんのひとときで充分だった。私はそのとき、未来の芸術の片鱗を確実に摑み取ったように記憶している。生命と物質の根源的融合、そして生命的な原初への回帰である。我々の未来に横たわる「存在の革命」とは、人間発生の原初への回帰である。そのための血みどろの戦いが、芸術家の命を削ってゆく。その先には、我々の発生を超克する新しい芸術が待ち受けているに違いない。それを築き上げるための無限弁証法的超克が、この展示だと言えよう。だから、この芸術的展望を苦しみ抜いてほしいのだ。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉群像劇 ― emmaus - アトリエにて撮影:石田淳一
  • 〈展覧会イメージ作品〉エヴァの願い 戸嶋靖昌 画
〈展覧会名〉
第30回「Sur life ― 生命のイマージュ」 展
〈会期〉
2022年6月21日(火)~2022年9月24日(土)
〈概要〉
Sur life ――。肖像画も静物画も二分しない、新しい時代に向けた「生命のイマージュ」。執行草舟コレクションを代表する洋画家 戸嶋靖昌、新進気鋭の画家 石田淳一の二人の芸術から、人物と物質、静物と生命を融合させた、超越的な表現に焦点を当てて展示します。

ページトップへ