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第32回「色彩のフーガ」展

色彩のフーガ 展覧会パネル文章

あの小林秀雄は、モーツァルトの音楽を「疾走する悲しみ」と表現していた。私はこの思想こそが、我々の世界に満ち溢れる「色彩」の本質を言い得て妙なる言葉だと考えている。色彩とは、時空を超越した宇宙の実在を、我々が住む「この世」において表わしたものではないだろうか。光線に内在する悲しみが、我々の目には色彩として映るのだ。それは宇宙の実在が抱える悲しみである。この悲しみが、この世で乱舞するのだ。我々の生の本当の意味は、その実在の乱舞を悲しみ抱き締め、そして何よりもそれを見つめながら共に喜び合うことに尽きよう。色彩は宇宙の彼方からこの地上にやって来たに違いない。そして、我々の存在を貫徹して、また宇宙の彼方に走り去って行く。生の躍動とは、また色彩の乱舞に他ならない。この地上を生きる我々の生の本質は、色彩の中にある。
執行草舟
  • 〈展覧会 案内葉書〉愛だけが… 部分 八反田友則 画
  • 〈展覧会イメージ作品〉ドイツ風景-塔のある風景 平野遼 画
〈展覧会名〉
第32回「色彩のフーガ」 展
〈会期〉
2023年3月7日(火)~2023年6月24日(土)
〈概要〉
色彩はフーガ―遁走曲のごとく、捉えられそうになると、手をすりぬけて疾走する。不可思議な色彩の魔術によって、見えないものは見える世界へと、また見えるものは見えない世界へと誘われる。洋画家 八反田友則がスペインの哲学者ウナムーノの瞑想詩『ベラスケスのキリスト』(監訳 執行草舟)から着想した幻想的な油彩画ほか、平野遼や広瀬功などの代表的な作品も多く展示します。

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